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地ビールとは?クラフトビールとは?

地ビールとは?クラフトビールとは?

「地ビール」 の定義とは、そもそも何? 日本での始まりは? どんなビールのことを指す? といった超基本的なところまで立ち戻ってまとめてみました。



こちらの記事は、ウェブサイトのリニューアルに伴い下記に移設いたしました。以降、新サイトでの更新となります。

»»» 地ビールとは?クラフトビールとは?~地ビールの定義
https://craftbeer.brnavi.com/what-is-craft-beer.html

規制緩和に伴う酒税法の改正で地ビール登場

1993年当時の細川政権において、一連の規制緩和の目玉として、地ビールを解禁 する方針が示されました。翌1994年4月、酒税法の一部改正 (平成6年法律 第24号) により、ビールの製造免許を取得する際に必要な年間最低製造数量の基準が、従来の 2,000キロリットルから 60キロリットル (60,000リットル) へと大幅に引き下げられました。

それまで、ビールは 2,000キロリットルの生産量がないと、製造許可を得られなかったところ、従来よりも少ない生産量でもビールを製造することが認められるように規制が緩和されたことで、全国各地に少量生産・地域密着型のオリジナル・ビール、いわゆる 「地ビール」 が登場することになります。

年間最低製造量が 60キロリットルになった後、日本で第1号の地ビール会社として開業に至ったのは、1995年 (平成7年) 2月に開業した 新潟のエチゴビール とされています。(最初に免許を申請したのは、北海道のオホーツクビール で、2番目に開業。) 日本に初めて 「地ビール」 が誕生したこの1995年が、実質的な 「地ビール元年」 とされているようです。

「第一次 地ビールブーム」 の到来

1994年の酒税法改正による地ビール解禁後、ホテルや旅館といった宿泊施設や自治体主導の第3セクターなどが続々と参入し、観光資源としての 「地ビール」 への注目度が高まり、小規模な (micro) 醸造所 (brewery) [マイクロブリュワリー] の開業数が増えて、国内で地ビールの生産が活発化していきます。

その後、2000年頃までのわずか5年ほどの間に、日本国内のビール醸造所は全国に300近く数えられるほどにまで増え※、「地ビール」 は一気にブームとして広がっていくことになります。(※ 発泡酒のみの小規模な事業所数を含む件数。発泡酒 / 雑酒は年間 6キロリットル以上の生産量で認可される)

≫ 地ビール/クラフトビールのメーカー (製造者)&醸造所数推移

また、歴史のある日本酒 (地酒) の蔵元・酒造が 「地ビール」 も醸造しているといったケースは、現在でも少なからず存在しています。

≫ 日本の地ビール/クラフトビール一覧 [醸造所&メーカー情報編]

「地ビール」 とは?

「地ビール」 という呼称については、個性あふれるビールを少量生産している醸造所 (メーカー) のビールのおおまかな総称として使われています。ビールの製造免許取得要件である年間最低製造量 60キロリットル以上という制限以外に、出荷量・販売(数)量あるいは生産地・原材料・販売エリアのような特定の指定範囲があるわけではありません。酒税法等の法律でも特に定めはないことからも、「どこからどこまでが 『地ビール』 である」 といった明確な定義があるわけではないのです。

ちなみに、日本酒の地酒 (じざけ) に倣って (または、それに対抗する形で)、その土地土地の地域ブランド・ご当地ビールということで 「地ビール」 と名付けられた俗称が、一時のブームに乗って広まった結果、一般化したという説もあるようです。(「地鶏」 も同様。)

用語解説の定番 wikipedia で 「地ビール」 の項を見てみましょう。

地ビール (じビール) は、特定地域にて限定量生産する小規模ビール会社による地域ブランドのビール。日本では緊急経済対策の一環として、1994年 (平成6年) 4月の酒税法改正により、ビールの最低製造数量基準が 2000kl から 60kl に緩和されたことを受けて全国各地に誕生した地域密着・小規模醸造のビール会社による、地方ローカルブランドのビール を指す。英語圏では クラフト・ビール とも呼ばれ、また 地ビール を醸造するビール会社や醸造所を マイクロ・ブリュワリー と呼ぶ。

[ wikipedia 「地ビール」 ]

wikipedia でも解説されている通り、「地ビール」 とは、「特定地域で少量 (限定量) 生産されている小規模なビール醸造所 (メーカー) による、地域密着型ブランドのビール」、教科書的な回答としては、こんな感じになりそうです。

では、「地ビール」 という言葉は、いつ頃から辞書に登場したのでしょうか。三省堂 『新明解国語辞典』 の初版 (1972年) から追跡した記事の抜粋をご紹介。

「地ビール」 という言葉は、1997年出版の第五版から辞書に登場します。 第四版の発行は、1989年なので、当時は 地ビール と言う言葉は生まれてなかったのです。

では、語釈を見てみましょう

「じビール」 【地ビール】 (第5版 - 1997年)
語釈 : ドイツ、イギリス、アメリカなどで、その土地の需要を満たす目的で作った比較的生産量の少ないビール。日本でも、法律改正によって各地で生産がはじまった。

当然、第六版にも載っていますが、語釈が少し変わっていました。

「じビール」 【地ビール】 (第6版 - 2005年)
語釈 : ドイツ、イギリス、アメリカなどで、その土地の需要を満たす目的で作られる生産量の少ないビール。日本でも法律改正によって各地で生産されている。

「比較的」 がなくなっているということは、「小さい所しか残っていない」 ということなのでしょうか。「生産がはじまった」 が 「生産されている」 と変更された点も見過ごせません。

[ 全国地ビール醸造者協議会 ]

「小規模醸造」 「生産量の少ない」 といった表現が頻発しています。では、国内ビール大手会社の生産量は、どれくらいの規模なのでしょうか。参考までに。

国内ビール大手各社のビール類課税出荷数量 平成25年/2013年・年間

メーカー課税出荷数量シェア
アサヒビール206万キロリットル37.6%
キリンビール191万キロリットル34.8%
サントリー酒類81万キロリットル14.7%
サッポロビール66万キロリットル12.0%
オリオンビール(不明)0.9%

※ 「ビール類」 は、ビール、発泡酒、新ジャンル酒類の総称

年間製造量 100キロリットル未満の製造者が 【8割】 を占める地ビール と比べると、確かに歴然とした差があることがわかります。

ちなみに、ニュースなどで報道される 「国内ビール大手」 と総称される場合、上記の アサヒ、キリン、サントリー、サッポロの4社、または、オリオンを含めた5社のことを指します。日本の大手ビール製造会社の酒類業組合である 「ビール酒造組合」 も、これら 5社の会員社のみで組織されています。

少々乱暴かもしれませんが、思い切って、上記 5社以外のメーカーが作っているビールは、すべて 「地ビール」 に類される、としても過言ではなさそうです。

(「いや、うちは 『クラフトビール』 だしっ!」 「実はウチのは 『自家製ビール』 で」 ・・・いろいろ聞こえてきそうではありますが、入門者にもわかりやすいように、便宜上のざっくり分類として悪しからずご了承いただければと思います)

~ まとめ。 ~

  • 「地ビール」 とは、特定地域で小規模なビール醸造所により少量生産されている、地域密着型ブランドの 「ご当地ビール」 のこと。
  • 規制緩和による1994年の酒税法改正で、ビールの製造免許に係る最低製造数量基準が [2,000kl] から [60kl] に引き下げられた。
  • 従来より少ない生産量でもビールの製造免許を取得できるようになったことで、地ビールが誕生するきっかけに。
  • 日本に初めて地ビールが誕生した実質的な 「地ビール元年」 は1995年。
  • 地ビール解禁後、観光資源としての注目度が高まり、国内で地ビールの生産が活発化。
  • 「どこからどこまでが地ビールである」 といった明確な定義があるわけではない。
  • 国内ビール大手 5社以外の国内メーカーが作っているビール = 「地ビール」とも。

Have a nice beer!

(続編予定)
「地ビール」 と 「クラフトビール」 って同じもの? 何か違いがあるの?
第一次 「地ビールブーム」 が続かなかった理由とは?



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